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2019年09月05日 14時00分

【セミナーリポート】『東京ヴェルディとともに東京から世界へ』 東京V羽生社長が語るこれまでの歩みとこれからの夢

創世記のJリーグで栄華を誇ったヴェルディが、経営危機に陥ったのは2010年のこと。そこから這い上がり、2018シーズンにはJ1昇格まであと一歩という好成績を残すまでになりました。クラブを再生の道へとけん引したのは、現在も東京ヴェルディ株式会社の代表取締役社長を務める羽生英之氏。クラブ改革にいかにして取り組んできたのか、そしてこれからの未来をどう考えるのかをお話しいただくべく、8月21日に特別セミナー『東京ヴェルディとともに東京から世界へ』というテーマでご登壇いただきました。

Jリーグ事務局長であった羽生氏が経営危機に陥った東京Vの社長に就任したのは2010年。悪戦苦闘の日々を過ごす中で、クラブが苦しい中でも輝かしい結果を残す姿を見て、クラブ再生のヒントを見いだします。
「ベレーザとアカデミーがあれば、ヴェルディは立て直せる。多感な10代の選手を育てる過程で難しいこともある。だが、そのノウハウが我々にはある」
選手や指導者の育成メソッドこそ、このクラブの財産だと気づかされたと言います。ただ、その大事な育成を担うコーチと話をする中で、ギャップがみつけました。
「例を挙げると『“やんちゃ”でもいいじゃないですか』と言ってくるコーチがいました。私は『“やんちゃ”の意味を説明してほしい。それはサッカーをするうえで大切なスキルなのか』と返しました。あいまいなワードに支配されて、指導者ごとに概念が違ってはいけない」
羽生氏は新たな指導者がクラブに赴任すると、10の質問を投げかけます。それは共通の認識で人を育てるため。そうしたメソッドで人を育てた先に求めるものがあるからです。
「アカデミーで育ち、プロ選手になれるのはほんの一握り。例えトップチームに昇格できなかったとしても『ヴェルディのアカデミーにいた時間があるからいまの自分がある』と言わせてほしい。例えば、その中から、起業して大成功を収め、社会的にも立派な地位につく人が生まれてほしい。それこそがヴェルディのブランディングの中で重要なこと」だと羽生氏は考えます。

このほかにも「内緒ですよ」と前置きをしつつ、具体的な事例や数字を挙げながら、とてもわかりやすくお話いただきました。参加者からは「いろいろな疑問がありましたが、腑に落ちました」「1時間30分でしたがとても短く感じられ、満足の時間が過ごせた」「ニュースなどを見て、現場に口を挟むサッカークラブの社長にいい印象を抱いていなかったが、今回のセミナーでその考えが変わった」といった声が寄せられ、非常に満足度の高いセミナーとなりました。

羽生氏はこれからの夢として「日本代表のワールドカップ優勝」と「子どもたちのために多様性のある物差しをつくりたい」という2つを挙げます。「選択肢を与えることが多様性を生む。そして、その多様性こそが日本の武器になる。日本の国を変えてくれるような人材、引っ張っていってくれるような人材を育成することこそ、ヴェルディが高みを目指すために大事なこと」だと語りました。クラブの財産である人を育てるメソッドを武器に、羽生氏の挑戦はまだまだ続きます。

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【登壇者プロフィール】
東京ヴェルディ株式会社
代表取締役社長

羽生 英之氏

東日本旅客鉄道株式会社から出向してジェフユナイテッド千葉の立ち上げに参加、一度は東日本旅客鉄道に戻るも、常務理事だった木之本興三氏から声を掛けられJリーグへ。
2005年にJリーグ事務局長に就任、2010年3月に経営不振に陥ったヴェルディの社長に兼務の形で就いた。
約半年後に、周囲の声に応えJリーグから身を引き社長に専念。2019年、10年目を迎える。