NEWS

お知らせ

NEWS

2019年04月26日 18時00分

【セミナーリポート】『コミュニケーション創出カンパニー』が狙う、スポーツビジネスにおける“新たな市場”

 スポーツ市場が“ビジネス”として成長を遂げている世界的なトレンドのなかで、日本ではどのようなビジネスモデルを築いていくべきなのだろうか。3月29日、株式会社フロムワンは「スポーツ×コミュニケーションで“フレミリー市場”を狙え!」と題するスポーツビジネスセミナーを開催。株式会社ミクシィの木村弘毅氏(代表取締役社長執行役員)を招き、プロスポーツ事業の今後のビジョンを語ってもらった。

 ミクシィと言えば、SNSの「mixi」や、全世界累計利用者数4,900万人を達成したスマートフォンアプリ『モンスターストライク(モンスト)』で知られるITサービス企業。その彼らが、2017年から『XFLAG(エックスフラッグ)』というブランドを掲げてスポーツ事業に参入した。Bリーグの千葉ジェッツ、JリーグのFC東京とパートナーシップを結び、今年3月からはプロ野球のヤクルトスワローズとの取り組みもスタートした。スポーツ事業を展開する狙いはどこにあるのだろうか?

「スポーツ×コミュニケーション」という『XFLAG』の戦略を聞ける機会とあって、セミナーにはスポーツビジネスに関心を持つ多くの参加者がつめかけた。


■『モンスト』はどのようにフレミリービジネスモデルを築いてきたのか?

「端的に言うと我々ミクシィは、『コミュニケーション創出カンパニー』として、いくつか事業を成功させてきた企業です」。セミナーの冒頭、木村氏はそう語った。「SNSの『mixi』も、『モンスト』も、“フレミリー”をターゲットとして大きくヒットしました」。つまり、成功の背景には“フレミリー”をターゲットとする独自のビジネスモデルがあったという。

 “フレミリー”とは「フレンド+ファミリー」という意味の造語。「友人」や「家族」などの親しい人間関係を中心とした市場を指している。その「フレミリー市場」では活発なコミュニケーションが行われ、盛り上がった雰囲気のなかで消費活動が発生する。それを「フレミリー消費」と定義している。

 例えば『モンスト』の成功はどこに理由があるのか。木村氏が説明する。「ゲームの世界では、一部のコアユーザーがたくさん課金することで収益を上げているものが多い。しかし、『モンスト』はこのコアユーザーではなく、その周囲にいる、日頃はゲームに触れる機会がない人たちを含む層にターゲットを広げました」

 では、普段ゲームに接する機会が少ない人々を、どうやってサービスに取り込んでいくのだろうか。そこで「フレミリー」というキーワードが登場する。「バイラルマーケティング」(=「直接見知っている人からの」口コミ)を活用して利用者に仲のいい友達や家族を誘ってもらい、ともにゲームを楽しめるシステムにした。アプリを通じて「フレミリー市場」を構築することで、利用者数は指数関数的に増加。「その結果、世界で4900万人もの利用者に愛されるサービスになることができたと思っています」と木村氏は言う。


■フレミリービジネスモデルはどのようにスポーツビジネスに活かせるのか?

 木村氏は『モンスト』で成功した“フレミリー”のビジネスモデルを、スポーツビジネスにおいても活かせると自信を見せる。「私たちはワイワイ盛り上がる場という意味をこめて、『B.B.Q.』というコンセプトワードを創りました。友達や家族とバーベキューをしているときには必ず、ワイワイとコミュニケーションが生まれますよね。そういった意味で、『B.B.Q.』は、XFLAGのロゴにも入れているくらい大切にしているコンセプトです」

ミクシィのエンターテインメントブランドである、XFLAGはプロスポーツへのアプローチとして「B.B.Q=ワイワイ盛り上がる場」をゴールに定め、それを実現するために4つのポイントで戦略を進めている。

・「お祭り化」=友達や家族とワイワイ楽しめる場を実現するためには、観戦の「場」のお祭り化が不可欠
・「バイラル」=人が人を呼び込むサイクルを創り出し、継続して観戦に来てくれる人を増やす
・「メディアミックス」=試合会場だけでなく、あらゆるメディアを使って楽しい情報やコンテンツを提供する
・「スクラム体制」=チームだけでなく、各方面との連携を強めてより質の高い観戦体験を創り上げる

 ここから読み取れるのは、観戦体験をより豊かで濃密なものにしようという戦略だ。「モンストは友達とワイワイ楽しめる場を目指し、それまでのゲームユーザー以外にもユーザー層を広げました。同じようにスポーツビジネスでも、『友達や家族とワイワイ楽しめる場』を提供し、『フレミリー市場』にアプローチすることで新たな来場者や新たな収益源が生まれると考えています」
 木村氏の言うとおり、試合会場に行けば友達がいて、お祭りのように盛り上がれば、観客は増えていくだろう。そこに新しいビジネスチャンスも生まれる。

 セミナー終了後のアンケートでは、「スポーツ好きではない人たちをいかに取り込むかが実は近道ということが分かりました」、「当社もIT企業で、マーケティングやスポンサードを考えているので非常に参考になりました」、といったポジティブな回答が多く寄せられ、参加者の満足度が高かったことがうかがえた。


——————————————————
【登壇者プロフィール】
ミクシィ代表取締役社長執行役員

木村 弘毅

電気設備会社、携帯コンテンツ会社等を経て、2008年株式会社ミクシィに入社。ゲーム事業部にて「サンシャイン牧場」など多くのコミュニケーションゲームの運用コンサルティングを担当。その後モンスターストライクプロジェクトを立ち上げる。2014年11月、当社執行役員就任。2015年6月、当社取締役就任。2018年4月、当社執行役員スポーツ領域担当就任。(現任)同年6月、当社代表取締役就任。(現任)