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2019年04月10日 09時00分

元プロ野球選手が語る『野球センスを向上させるヒントとは?』Vol.3対談レポート≪後編≫

2019年3月13日に「プレイヤーズファースト」を生み出す指導vol.3『野球センスを向上させるヒントとは?』が開催された。このセミナーは「プレイヤーズファースト」を掲げる清水隆一さんと、ゲストによる対談形式で、選手ありきの指導とは何かを参加者と一緒に考える指導者交流会である。

今回ゲストとして登場したのは、『スポーツセンシング』というセンスの伸ばし方を研究されている元千葉ロッテマリーンズで中継ぎ・抑え投手として活躍された荻野忠寛さんだ。
前編ではセンスという言葉の定義付けやスポーツセンシングにおける6つの能力とは何かを語られた。後編では、6つの能力を具体的に鍛える方法や現在のプロ野球界の課題に至るまで語られているので、ぜひ一読していただきたい内容になっている。

清水)このスキルは高めたいよね。スキルの高め方はどうすれば良いのか?

萩野)例えば、目標設定能力で言えば自分のできる能力から4%上の目標を設定していく。センスのない方は叶いそうにもない目標を立てたり、簡単にできる目標を立てたりと的確に立てられなかったり、目標数が足りないなどの状況になることが多い。

清水)よく心理学でスモールステップ法というのがあり、達成可能か不可能か微妙なラインで目標設定をして積み上げ方式で行い、目標に届くという手法があるがそれと似ている?

萩野)まさしくそうです。小さい目標を立て続けることが大事で、しっかりクリアしていくことでセンスは磨かれていく。

清水)では、2つ目の探求心とチャレンジ能力を磨くにはどうしたら良い?

萩野)想像力を鍛えなければいけなくて、想像力を磨ける環境に身を置くことが大事。
想像力というのは能力に変わっていく。

清水)続いて3つ目の客観的に見る能力の鍛え方は?

萩野)客観的に見ることが出来なければ、目標設定やプレーの分析なども出来ない。
他者評価と自己評価が近くなければいけないが、離れている場合や自己評価の方が高い人は客観的に見る能力が低いということ。自分の中を見つめることでモチベーションupにも繋がると思う。

清水)ようやく、客観的に見ることで自分の立ち位置を把握でき、目標設定をし、どういう探求心持って取り組むかという3つが繋がってきました。

萩野)人というのは永遠に頭の中で独り言を言っているがその独り言に気付かければならず、その独り言の答えを導き出すことが客観的に見る能力ということですね。

清水)では、続いて4つ目の意識と無意識を使い分ける能力の鍛え方は?

萩野)意識して良い習慣を作る事。そして、意識して繰り返すことで無意識になっていく。プロは失敗したことはすぐ忘れるようにしているが、失敗した際の修正能力は忘れないし、それがセンスということでもある。

清水)日本のスポーツ指導者は失敗を叱責する傾向にあるよね。

萩野)そうですね、本来は失敗をさせ続けさせなければならない。しかし、失敗の数ではなく種類であり、その種類を多くさせることで能力に変わっていく。

清水)僕がスポーツ界に望んでいるのは、失敗を恐れずにチャレンジする心を育むことなんですが、結びつきますか?

萩野)結びつきますね。それには安心感や愛を感じさせることが大事で、それがなくなると失敗した際に恐怖感が植え付けられてしまうので、気を付けなければならない。

清水)ちなみに、先ほど控室で現役時代はコントロールが悪かったと言っていたが、それを意識して直そうとしたのか別の所を伸ばそうとしたのかどちらでしょうか。

萩野)どちらもですね。6つの能力を分解して伸ばせる数を増やすことで勝負しようと思っていたので、人が思いつかない部分でさえ伸ばそうという発想だったので自分の持っているスキルで伸ばさないという選択肢はなかった。

清水)指導者から言われた事をやるのではなく、自分で思いつく方法をチャレンジするのであって、言われたことをやるのではないよね?

萩野)例えば、スピードを上げたいと思っているのに指導者からコントロールを良くしようといったところで、求めていないことをコーチから発信してしまうと信頼関係を構築できないので、選手が何を求めているのか把握していないとコーチングは成り立たない。

清水)6つが意識しながらも回転しつつ、独り言のように頭の中で回っていればセンスは磨かれるという事で合っている?

萩野)合っています。なので、環境がとても大事なんです。

清水)では、5つ目の集中する能力にいきましょう。

萩野)そもそも集中力とは、容量の大きさと消費量の少なさの2つを鍛えなければならない。いつ使うかというと物事を決断する時と何かを我慢する時、未来を考える時にいかに消費量を少なく使うかということです。では、容量を大きくするにはどうするかというと、トレーニングとして無意識でやってきたことに思考・意識を加えることです。あとは、集中できる環境を整えることです。

清水)最後に6つ目のモチベーションをコントロールする能力をお願いします。

萩野)志という部分であって、目標とは違い何かの為に自我を消すことであり、それが大きければ大きいほど自分のモチベーションコントロールに変わっていく。

清水)アメリカではそれをBig Whyと言うみたい。何のためにそれをやるのかと意味。

萩野)志の大きさがモチベーションに変わってくるので、TOP of TOPを思い浮かべると皆さん志がとても大きいんですよ。

清水)私は指導者には選手にやってみたいと思わせる環境作りをしなさいと提唱しているんです。
そうすると、今の6つの能力は世の中にもっと発信させていきたいですね。

萩野)可能なら授業にしていきたいと思っており、現在チャレンジしたいと思っているのは、6つの能力を鍛えるチームを作り、学校の成績を上げて塾に通っているよりも効果的だと示すことが目標です。

清水)そうすると、世の中が良い環境になっていきますね。

萩野)そうですね。最近では塾の先生もトレーニングを見に来たいと言っているんです。
今後の受験も変わってくると思うので、その対応方法を実践して学んでほしいと思います。今の日本教育は良い方向に向かっていないと感じており、本来社会を出てから学びがスタートするはずなのですが、高校くらいで学びが終わっていると感じている人が多いので、スポーツセンシングというのは生涯学習できるコンテンツになると感じている。

清水)そこまで解明出来ていてトレーニング方法も確立しているので、本当に世の中に広めていきたいですね。

萩野)ぜひ、皆さんにも体験していただき広めていただきたいです。

最後は参加者からの質疑応答の時間が設けられ、多くの質問が挙がったが一つ一つ丁寧に答えられており、満足度の高い指導者交流会となった。