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2019年04月09日 18時00分

元プロ野球選手が語る『野球センスを向上させるヒントとは?』Vol.3対談レポート≪前編≫

2019年3月13日に「プレイヤーズファースト」を生み出す指導vol.3『野球センスを向上させるヒントとは?』が開催された。このセミナーは「プレイヤーズファースト」を掲げる清水隆一さんと、ゲストによる対談形式で、選手ありきの指導とは何かを参加者と一緒に考える指導者交流会である。

清水さんは「プレーヤーが指導者の言いなり」になっていないかと語っており、多くの指導者が、プレーヤーに考えさせられることができない、あるいは教えないと気が済まない、というのが実態だと危惧している。プレーヤー目線に立って、教え過ぎ

ず、自分で考え、解決し、成功に導けるよう携わることが、指導者のあるべき姿ではないのでしょうか?

今回は、『スポーツセンシング』というセンスの伸ばし方を研究されている元千葉ロッテマリーンズで中継ぎ・抑え投手として活躍された荻野忠寛氏を迎え開催。
指導現場から一番遠いワードとも取れる「センス」という観点から議論が繰り広げられましたので、そのトークの一部を抜粋して紹介いたします。

清水)みなさん、こんばんは。今日は荻野さんとセンスについて話していきたいと思います。
荻野さん、よろしくお願いいたします。

萩野)少しでもタメになるお話が出来ればと思っておりますので、今日はよろしくお願いいたします。

清水)どのくらいの年代の時が一番上手くなりましたか?

萩野)球を始めた時から野球を辞めるまでずっとですかね。なので、どの時期というのはなく上手くなり続けたと思っております。

清水)それが今日のテーマの『センス』に結びつくということですか?

萩野)そうですね。私はスポーツセンシングと呼んでいるのですが、そのような部分が大きなウェイトを占めていると思っています。

清水)小学2年生から野球を始めた荻野さんはセンスがありましたか?

萩野)プロに行けなかった選手に比べればあったと思いますが、プロ選手の中には私よりもっと凄い選手は多くいたと思います。

清水)そもそもセンスって何でしょうか?

萩野)センスという言葉自体が曖昧で、指導者の方々もよく分からないまま使用していると思っています。そこで、スポーツセンシングという言葉で定義付けて広めていこうと思っています。

清水)例えば、ボールを投げたら「センスがありそう、上手くなりそう」という意味合いで使うと思うが、そういう意味合いということでしょうか。

萩野)それよりもより深く掘り下げた言葉で、センスというのはこういう能力だと分解して作ったのがスポーツセンシングという言葉です。

清水)これまでプレイヤーズファーストというテーマで開催してきており、私も野球に限らず個人に視点を当て、その人が考えていくというのがコーチングの基本の考え方だとすると、スポーツセンシングも同様の考え方でしょうか。

萩野)まさしくそうです。スポーツセンシングを鍛えるというのは大きな意味で言えば、個人の生きる力ということですかね。

清水)ということは、言い方は様々あるとは思うが、その人の生きる力を身に着ける要素ということでしょうか。

萩野)分かりやすく言ったら、スポーツセンシングがないと野球界では生きていけないということです。センスがあればどんどん上手くなりますが、センスが無い選手を上手くするのはなかなか難しい。そのような選手にアプローチする際にセンスという部分を変えてあげることが大事で、選手の可能性は広がるのではないかと思っています。

清水)ご自身は野球を始めてから伸び続けていると仰っていたが、センスの磨き方を知っているということでしょうか?

萩野)学び続けることが大事で、センスがある方はその感度がとても高いし、思考がしっかりしている印象で、結果的にスポーツセンシングに繋がっていく。

清水)逆にセンスが伸びないというのはどういう状況?

萩野)物事の捉え方と思考技術がとても優れていて、知識を持っている方はセンスがある方と定義していて、優れたイメージを作り寄せる能力が高い方は、さらにセンスがある方です。

清水)その寄せていく手法とは?

萩野)それが思考技術で、6個の能力に分かれているのですが、分解して1つずつ鍛えていけばセンスは必ず磨かれていく。

清水)1人1人のレベルは違えど、6個の能力の鍛え方を知っていれば1歩ずつ成長出来ますね。それはスポーツに限らずの話ですよね。

萩野)何故、センスを磨けるかというのに辿り着いたかというと、プロの時に児童福祉施設に行かせていただいた時に、キャッチボールをきちんと出来ない子が多く生まれ育つ環境がとても大事だと感じました。という事は、センスは後々でも磨くことが出来ると思い、その磨き方さえ知っていれば伸ばすことが出来ると感じました。

清水)もう少し早く会いたかったな。笑
今の野球界でも指摘ばかりで怒っている監督が多くて困りますね。

萩野)今の日本ではそれが中心になっており、世界に後れを取っているとも感じますね。
昨年、高校生の選抜チームが世界大会に出場した際に、台湾や韓国のチームにさえ時代遅れと言われた。

清水)一番遅れているのは考え方なのか?

萩野)考え方よりもやり方が一番遅れており、世界を見渡しても日本だけ投球制限を導入していない。WBCでも投球制限を導入しているのを見て、何故導入しないのか疑問が浮かびますし、それが周りから時代遅れだと言われている原因だと思います。

清水)少し話を戻しますが、生まれてきた環境や育つ環境によってセンスの磨かれ方は違うという話もありましたが、ご自身はどういう環境で過ごされてきたのでしょうか。

萩野)高校まで土日のみ練習の軟式クラブチームに所属しており、厳しくないチームでとても自由だったが、今思うと良い環境だった。

清水)どの辺が良い環境だと思った?

萩野)自分の発想で練習でき、意見を出せる環境だったといのが良い環境。

清水)小学生が監督に物申すの?

萩野)そうですね、バッティングかゲームしかしなかった。笑

清水)楽しいことをやりながら工夫できる環境だったということですね。

萩野)小学4年くらいからエースピッチャーだったが、身体が一番小さくて力で圧倒することが出来なかったので、頭を使ってどう抑えるか考えた結果、身体より頭を先に動かすのが癖として身に付いた。


清水)そういう環境から考える力が身についてきたということで思考とかは大事ですね。
そういえば、6つの能力とは何ですか?

萩野)6つの能力とは、①目標設定能力②探求心を持ってチャレンジする能力③客観的に見れる能力④意識と無意識を使い分ける能力⑤集中する能力⑥モチベーションをコントロールする能力であり、全ての能力は繋がっているんです。

清水)聞いていると、どこが始まりでも終わりでもなくサイクルになっているように感じるけど、どうなんでしょうか。また、6つの能力が必要というのはいつ気付いた?

萩野)プロから社会人に戻って2年目くらいですかね。プロの時は自分がどう結果を出すかしか考えていなかったが、社会人になってからはどうチームを勝たせるか、どうやったら若手が育つかという考えに変わり、その時に周りの選手にアドバイスした時に練習をやる側のセンスを鍛えない限り伸びないと感じたのが始まり。

清水)ということは、このスポーツセンシングという言葉はご自身で作った造語?

萩野)そうですね。センシングという言葉は感覚や自動化などの意味であり、スポーツセンシングというは意味合い的にも合っているかなと思い名付けました。また、6個の能力を高めている方は、練習や試合で成長したいときにストレスとリラックスのバランスを高いレベルで整えることが出来、ゾーンの状況を作りやすくなり自分の思考でそういう状況を作り出すことが出来る能力です。

<後編につづく>